日本画家・柳樂晃里ホームページ&ブログ(島根県安来市)

島根県安来市在住の日本画家・柳樂晃里(なぎらこうり)NAGIRA KOURIです。たたら製鉄や日本刀などのテーマを中心に描いています。

(最新更新日:2022年5月10日 掲載日:2018年7月1日)

日本画家・柳樂晃里 (Nagira kouri)


主テーマは「たたら製鉄」ですが、花鳥・生物・風景も私の大切な題材です。
;私にとって絵を描くことは、ご飯を頂くことや働くこと、眠ることと同じ様に、
ごく普通のこととして、私の日常の生活の中にあるもので、
出会った物事への感動や発見や感謝を綴った、いわば日記の様なものです。
私は、ありのまま自然体で、日本画の枠にとらわれずに
しかしながら日本画の持つ繊細さや奥行き、空気の流れを大切に
様々な表現を楽しみたいと制作を続けています。

柳樂香里・月ー奥出雲たたら場の遠景
作品「月ー奥出雲たたら場の遠景」


最新活動情報
2019年9月 安来日本画友の会・会長に就任
2019年9月 第13回安来市美術展に出品、実行委員を務めるとともに市民賞受賞(観覧者の投票による)
2020年3月 安来市和鋼博物館にて作品11点を展示開始(期間や作品入れ替えの有無等は未定)

新型コロナウイルス収束を祈って作品「アマビエ」を7点制作・掲載しました。

日本画家・柳樂晃里

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日本画家・柳樂晃里190413山椒の甘露煮1
前の記事と少々話が前後してしまいますが、「山椒の甘露煮」をつくりました。(令和の時代になる少し前です・・)
もちろん材料の調達から調理まですべて自前です。

まず山椒の若芽を摘みます。

そして酒、味醂、黒砂糖、醤油で甘露煮にします。
日本画家・柳樂晃里190413山椒の甘露煮2
油断をすると鍋が焦げてしまうので、弱火で根気強く、箸で混ぜながら炒り上げるようにして煮ます。
水気をとばして飴炊きにしますが、煮詰めすぎると冷めてから固くなって箸がたたなくなるので、そこの見極めが難しいです。ゆっくりと時間のある時でないと出来ません。
日本画家・柳樂晃里190413山椒の甘露煮3
お陰様で、見事に旨いヤツが出来ました。山椒の辛味が絶妙に引き立ちました。
あったか御飯にのせて食べると、ご飯がなんぼでも食べられます。
お酒もすすみます。
でも、沢山摘んだはずの山椒が豆皿一杯だけになっちゃいました。

父が好きだったので、先ずは仏壇にお供えします。

やっぱり手間をかけたものは美味しいです。
これは、速さや便利さを尊ぶ風潮の昨今では、負け惜しみの自我自賛なのかもしれませんが…。

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日本画家・柳樂晃里190430b1
平成も今日で幕を降ろします。

思えば、油彩から日本画へ転向したのは平成元年でした。
日本画に転向して初めて作品として描いたのは「木蓮」の花でした。
今改めて見ると、まだ油彩の時のタッチが顕著に表れる未熟なものですが、
今朝、庭に咲く木蓮の花を見て、その時のまっしぐらな自分を思い出しました。

平成の時代は、出会い、ご縁に学ばせて頂いた佳き時代でした。

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柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会10
お陰様をもちまして、無事に会期を終えることが出来ました。
先ずはお忙しい中、また遠路お越し頂いたお客様に、心より感謝申し上げますと共に、厚く御礼申し上げます。
柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会10
連日、ひじょうに多くのお客様にお越し頂き、楽しんで頂きました。
日本画について、題材の捉え方を始め、技法や絵の具である顔料の特性、画布について等々、熱心に質問して下さるお客様が沢山いらっしゃっていただき、とても有難かったです。
中々充分な対応が出来ず、それが心残りではありますが、
平成最後の展覧会は、とても感慨深い展覧会となりました。

時代は平成から令和へと移り変わって参りますが、変わらずコツコツと精進を重ね、また皆様に楽しんで頂けるよう努めて参りますので、今後とも変わらずよろしくお願い申し上げます。

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柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会5
いよいよ本日初日!平成最後の展覧会です。
前代未聞の大型連休前だけあって道路はとっても混んでいます。

やっと会場へ到着して間もなく、次から次へとお客様がいらして下さり有難い限りです。
何人ものお客様から、
「毎日来たい!」「明日も来たい!」「ここにずっと居たい!」
との嬉しい感想を頂きました。

29日まで、お越し頂いたお客様に楽しんで頂ける良い時間に成るように努めたいと思います。

お時間がありましたら、またお近くへお越しの際にはお立ち寄り下さいませ。

お待ちしております。

柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会6柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会7柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会8
柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会9

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柳樂晃里・きょうだいで楽しいことしています展覧会3
米子市のギャラリー百花堂さんに於きまして、
4月26日(金)より29日(月)まで、
「きょうだいで楽しいことしています展覧会」と題して
2年ぶりに妹と妹の旦那さんと私の3人で楽しい展覧会を催します。

奇しくも、平成最後の展覧会となりました。

両親の介護等ありまして、2年ほど個展はお休みいたしましたが、描く意欲は益々膨れ上がるばかりで、やっと少し落ち着きましたので、復活の思いも込めて新たな気持ちで開催いたします。
お客様といっしょにまた楽しい時間を過ごさせて頂けたら幸甚です。

平成の時代、溢れる思いを情熱のまんまあれもこれもと画面に表現して参りましたが、2年の間、心ならずも筆を止める時間を持って、そのお陰で気付いたことが沢山有ります。両親は自分の身を以って、そのことに気付かせてくれたのかもしれません。

令和の時代を迎え、お陰様で再び筆を持つことが叶うようになりました。
ここからが更なる精進の為所と心得て、努力して参ります。

お近くへお越しの際は、是非お立ち寄り頂きます様ご案内申し上げます。

開催概要
「きょうだいで楽しいことしています展覧会」

2019年4月26日〜4月29日
10時〜18時(最終日は16時まで)
・出品者
日本画:柳樂晃里、癒しの苔:苔男子.Moss a MAN、ニャン画:NAGI
ギャラリー百花堂
〒683-0853
米子市両三柳52-1
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TEL:0859-35-3911

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高松市・大西アオイ記念館・国際交流展1高松市・大西アオイ記念館・国際交流展2
展覧会チラシ

現在開催中です!
大西・アオイ記念館・日仏国際交流展・柳樂晃里作品
出品作品(会場にて)

4月16日より29日まで、
香川県高松市の大西・アオイ記念館に於いて、日仏国際交流展が開催されます。
9日に出展作品を会場へ送りました。

行ってみたいのは山々なのですが、米子市で開催する自分の展覧会と日程が被ってしまいました。残念ですが、沢山のお客様に観ていただけるようにPRだけはしっかりお手伝いさせて頂いて、こちらで盛会を祈りたいと思います。

お近くへお越しの際には、是非お立ち寄り頂きます様、ご案内申し上げます。

展覧会チラシの拡大画面はPC・タブレットの方はページ上部の常時掲載の告知記事でご覧になれます。(スマホもカテゴリ・メールフォームの下の告知画面に同様のリンクがありますが、サイズの関係で上の写真と同一サイズになります)

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日本画家・柳樂晃里1904071レンゲ畑
安来は能義平野の中にあって、米造り発祥の地とのいわれのあるところで、さすがに田んぼは多いです。

しかしながら、私が子供の頃には春になると田んぼはレンゲの花盛りだったのですが、いまではレンゲの花をほとんど見なくなりました。昔は稲刈りの後にレンゲの種を蒔いてレンゲを育て、そのレンゲも一緒に耕すことで、レンゲを肥しにしたのですが、今では化学も流通も発展して違う肥料が使われるようになったようです。
日本画家・柳樂晃里1904072レンゲ畑
ところが、見つけました!レンゲ畑!9号線からちょっと入った農村地帯に!
レンゲ畑の向こうには、小さな鎮守の杜もあってお伽噺が始まりそうな風景でした。

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日本画家・柳樂晃里1904051社日山の桜
桜の季節。
日本画家・柳樂晃里1904052社日山の桜
安来には安来節に唄われたさくらの名所があります。
社日山「しゃにっつぁん」と地元住民は呼び親しんでいます。
町中の小山で、誰でも楽に散策出来ます。
夜には沢山のボンボリがともり、夜桜を楽しむ人もあります。

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日本画家・柳樂晃里190322表装教室作品展1
表装教室の作品展が開催されます。

4月5日~7日まで
松江市の中国電力ふれあいホールであります。


掛け軸・屏風はもちろんですが、表装に使う道具類や
師匠が保存されている珍しい型染めの型なども展示される予定です。

ご来場お待ちしております。

日本画家・柳樂晃里190322表装教室作品展2
(写真1)
尚、私も修行を初めて未だ半年だというのにも関わらず、片隅に一幅展示させて頂きます。
師匠を初め、諸先輩方に盛り立てて頂き、いっぱいお手伝いして頂き、発表会なんてまだ無理だと抵抗したにも関わらず、大丈夫だ!ガンバレ!とスパルタ式励ましでもみくちゃにされながら、なんとか出展者の端っこに加えて頂く運びとなりました。
日本画家・柳樂晃里190322表装教室作品展3
(写真2)
現在、作品は師匠にお持ち帰り頂き発表会に間に合うように仕上げのお手伝いをして頂いているところです。(だから、まだ早いと言ったのに・・・)
日本画家・柳樂晃里190322表装教室作品展4
(写真3)
スパルタですが、気の優しい師匠と先輩方の素敵な楽しい表装教室です。
日本画家・柳樂晃里190322表装教室作品展5
(写真4)

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日本画家・柳樂晃里190319菜の花
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3月19日の午後
菜の花畑を見つけました。
大好きな菜の花。
どこがそんなに好きなのかと聞かれても困るのですが、
好きなものに理由などいらないと思うのです。
この花を好きになれたことが「しあわせ」ということではないでしょうか?

安来と松江の間に在る東出雲町の干拓地
花や野菜はもちろん、牧草も育てられています。
水仙の花が咲く小道があったり、桜の並木や夾竹桃の並木もあります。
花とみどりの長閑な田園地帯です。

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201903181
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2月から島根県立美術館で開催されている「北斎展」は、前期と後期で総入れ替えという大規模な展覧会で、平日でも沢山の方がお見えになっていらっしゃいます。駐車場には県外ナンバーも沢山見かけます。

今回公開の「永田コレクション」は島根県津和野町出身で北斎研究第一人者の故・永田生慈先生所蔵の北斎の作品を、この度故郷へ寄贈頂いたものです。「寄贈作品は、一枚たりとも島根県外へ出さずに纏めて管理保存する。」という条件と言いますか、今となってはご遺言のも等しい約束があるそうです。
今後この貴重な北斎のコレクションを見ることが出来るのは、島根県でのみという事になるのだそうです。

次回の北斎作品の企画展は2022年の予定とのことで、以後も角度を変えての企画展が計画されているそうですので、島根県立美術館の今後がとても楽しみです。この沢山の北斎作品は島根県がお預かりした世界の宝物です。大切に後世へ伝え、先人の偉業を繋げていかなければなりません。

北斎展は、前期も後期も見応えがありました。どの作品も線の一本一本に表情があって語りかけるように色っぽいのです。迷うことなく筆が走っています。細部までこれでもかというほど描きこんであって、けれどそれが重たくなく小気味良い。発想や構成が洒落ていてドキドキワクワクが止まらない。只々圧倒されます。貴重な肉筆画もあり、その「気」の前に立ちすくんでしまいました。

それでも北斎は「猫一匹満足に描けぬ」と嘆いたというのですから、私の技量など如何に陳腐なものかとほとほと思い知らされました。ひたすら精進あるのみです。
それにしても、絵師の北斎のこれほどの偉業を、版木に彫り込んだ彫師の技は想像を絶します。
擦り師の微妙なさじ加減も見事。神業とはこの業のことを言うのではないでしょうか?

これが人の手の成せる業なのかと驚嘆しながらも、人の手が描き出した、造り出した線であるからこそ、味わい深さが生まれるのだと改めて確信しました。
手間を掛け、汗をかき、自分の手で線を引き、色を塗り重ねていくことが如何に大切な事なのかを改めて認識させられました。

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日本画家・柳樂晃里190203節分1
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今日は節分。やっと喪が明けます。
節分の行事は神さん事なので、昨年は出来ませんでしたが今年はしっかり豆まきします。
日本画家・柳樂晃里190203節分2
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いつものように神棚に「塩・米・水」をお供えしてから、玄関や水場や火の元と鬼門、裏鬼門の盛り塩を新たにして、お昼過ぎに早々と豆を炒って升に入れ神棚へお供えしました。
日本画家・柳樂晃里190203節分3
祖母が使っていた升を今でも使っていますので、角が取れて丸みを帯びた升は、手にやさしい持ち心地です。
日本画家・柳樂晃里190203節分4
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今では情報技術が発展して、節分の行事もいろいろな地方の行事が入り混じっていますが、厄難を払い家族の健康を祈ることは同様ですので、必ず!ねばならない!は思わずに、あれもこれもと取り入れるのもどうかと思いますので、私は祖母から教わったように節分の豆まきを続けています。
日本画家・柳樂晃里190203節分5
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しかしながら、当時とひとつだけ違うのは、祖母は「鬼は外!福は内!」と豆を打ちましたが、私は「鬼も内!福も内!」と豆を撒きます。

実は、鉄の世界と出会った時から、青鬼さん、赤鬼さんという大切なお友達が出来たので、また鍛冶の神さんには一つ目で片足の鬼の神さんもいらっしゃるので、鉄世界の恩恵に与る私としては、口が裂けても「鬼は外!」は言えないのです。16年ほど前から我が家では「鬼も内!」です。

苦あれば楽あり。
生きていれば苦難はつきもの。それを乗り越えるから楽がくるのではないでしょうか?命としての強さも備わります。苦難を悪いこととして捉えるよりも、次に待っている(来る)チャンスを捉えるための力を養っているのだと捉えれば、気持ちも楽になるのではないでしょうか?
悪いことを一手に背負わされて、豆を投げつけられる鬼は鬼で気の毒にも思うのです。

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日本画家・柳樂晃里190115南天1
玄関横の南天が見事に沢山の実をつけています。
南天は「難を転じて福と成す」と亡き父が家を建てる時に植えました。
当時は小さかった南天も、結構大きくなりました。
鳥たちの冬のご馳走でもあるこの南天は、鳥たちによってあちこちに運ばれ、そこで子孫を遺しています。
日本画家・柳樂晃里190115南天2
小正月の15日は父の命日でしたので、
妹とお墓参りをしました。
日本画家・柳樂晃里190115南天3
いつもなら雪の積もるこの時期ですが、今年は暖冬のようです。
節分までは、喪に服すものなので、もうしばらくは神社への御参りは出来ませんが、喪が明けたら御参りしたい神社を巡りたいと思います。

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日本画家・柳樂晃里181216庭仕事1
ヤブコウジを植えました。
今年の庭仕事は、これでおしまい。
なんとか小奇麗になったでしょうか?
日本画家・柳樂晃里181216庭仕事2
父が動けなくなって、我が家の庭は7、8年手入れがされないままの伸び放題ジャングル状態でした。
「お父ちゃんは、エライもんを遺してくれたなあ・・・」と、最初はブツブツ言いながら、休みの度々に汗だくで手入れをしていました。隣のおばさんに「ちがうよ!みっちゃん!お父ちゃんは良いもんを遺してくれたんだよ。」と諭して貰いながら頑張りました。
日本画家・柳樂晃里181216庭仕事3
そうして頑張っているうちに、でもだんだんと庭の手入れが気持ちを穏やかに元気にしてくれることに気が付きました。植物と対話出来ているような、同じ地球上の生き物として植物に認めて貰えたような、なんとも不思議な嬉しい心持ちになるのです。
隣のおばさんの言われるように、父は良いものを遺して逝ってくれました。
来年の庭仕事が楽しみです。

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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
日本画家・柳樂晃里181216出雲織1b
日本画家・柳樂晃里181216出雲織2

16日(日)安来市の文化福祉チャリティ「文化協会まつり」で美しいお着物をお召しの素敵なご婦人にお会いしました。そのお着物は、「青戸由美恵さんが織られた本絣の正藍染出雲織」
綿から糸を紡ぎ、美しい文様が織り上がるように細かく何千カ所も糸をくくり、藍で糸を染め、ひとはたひとはた手を掛け、心を掛けて織り上げられた安来伝統の逸品です。
日本画家・柳樂晃里181216出雲織3
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島根県民芸協会創立者の太田直行氏が出雲織に寄せられた一文を紹介します。

「出雲織と青戸由美恵
明治、大正頃まで、山陰の出雲は九州の筑後と共に、正藍手織絣の代表的産地であり、当時の出雲では、機織りが嫁入り前の必須科目だったので、殆どの家で機の音が聞かれた。しかしその後、機械織と化学染料の発達にともなって、手織絣は絶滅するかと思われたが、近年伝統美の再認識と復古ブームとによって、再び興隆の機運を迎えるに至ったことは誠に欣ばしい。青戸由美恵さんは、手機織の環境に生まれて、幼児から機織が大好きだから今でも家事と子女の育英に追われながらも機を織り続けており、本絣(縦横絣)の織手としてはその右に出る者が無い。のみならず独特の色彩感覚で染め上げる草木染めは、正藍染めととけ合って誠に美しい。
しかもなお日夜研究と改善を続けて芸域の拡大に努力している。私は彼女こそ、山陰地方における興隆を双肩に荷う第一人者だとして限りない期待を寄せるものである。」
日本画家・柳樂晃里181216出雲織4
手間を掛けたものは、使うほどに美しく愛おしい宝となり、人の心を豊かにしてくれるのではないでしょうか?
現在、出雲絣は青戸由美恵さんの息子さんご夫妻が、由美恵さんの思いや技術を受け継がれ、そしてお孫さんもまた同じ道の継承を選択されて、日々研鑽を重ねていらっしゃいます。白鳥の飛来地でもある能義平野の工房では、その技術を習得せんと、若い方々が全国各地からお見えになって、一生懸命に励んでいらっしゃいます。

実は、この出雲織の青戸君ですが同級生なのであります。体格のいい濃いめの風貌の男子ですが、彼の生み出す作品は実に繊細で美しく温かみがあります。お母様の思いを継いで、素晴らしい作品を生み出すとともに、次世代への継承に尽力されています。

やさしい柔らかい手織りの美しい愛おしい作品が、機織りの音とともに生まれています。

下の写真は出雲織の工房の写真です。
なかなか田舎の風情があります。
日本画家・柳樂晃里181216出雲織工房6
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日本画家・柳樂晃里181209田舎暮らし1
日曜日の朝、ちょっと御寝坊をして起きた頃に、小さい頃から馴染みの農家のおばさんが、この寒いのに取れたての野菜をいっぱい持って「どげなかいねえ」と来られました。おばさん元気だなあ。きれいに洗ってあります。
白菜も大根も春菊も自家製のお漬物も、どれも100円。雪をかぶった野菜は甘味が増して美味しくなると祖母が言っていました。
今夜は、昆布の出汁で大根を炊いて味噌で食べましょう。春菊は胡麻和えと味噌汁に!これだけあればしばらく食べられます。

田舎暮らしは良いですよ。
時々、隣のおばさんが「味御飯を炊いたけん」と温かいご飯を持ってきてごしなるです。嬉しいことです。

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日本画家・柳樂晃里181209初雪1
今日は、初雪。
庭の白梅の樹に、ツワブキの葉の上にも、苔の上にも、落ち葉の上にも
うっすら白く積もりました。万両の赤い実が雪に映えます。
山陰は、これから雪の季節です。
日本画家・柳樂晃里181209初雪2
日本画家・柳樂晃里181209初雪3

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日本画家・柳樂晃里181202林原美術館1
12月2日(日)岡山の林原美術館へ「お守り刀展覧会」を鑑賞に出かけました。
林原美術館は立派な門を構えた風情のある美術館で、岡山城の御堀端烏城通りにあります。
お守り刀展覧会は、本年で13回目。2年前までは長船刀剣博物館で催されていましたが、昨年から林原美術館で開催されています。私は、長船の時代から毎年楽しみに鑑賞させて頂いております。今のところ皆勤賞です。
日本画家・柳樂晃里181202林原美術館2
日本刀の世界は分業制で、刀鍛冶さんを始め、鞘師さん、塗り師さん、柄巻師さん、白金師さん、金工細工師さん、など沢山の職方さんたちから成っています。お守り刀展覧会は刀身だけではなく、そうした沢山の職方さんの手仕事も合わせて鑑賞できる展覧会ですので、細部にまで気を配られた職人さんの丁寧な仕事を拝見出来て、とても見応えがあります。
日本画家・柳樂晃里181202林原美術館3
今年は、以前からの存知よりの刀匠さん方の美しい作品に混じり、次の世代を担う若い刀匠さん方の作品が、とても印象的でした。熱を感じるというか、気持ちか高揚してドキドキするような、でも清々しく輝いているような、拝見するものを惹きこみ魅了し、応援せざるおえなくなるような素晴らしい展覧会でした。
日本画家・柳樂晃里181202林原美術館4
その日は、今回第一席を受賞された月山刀匠の初講演も拝聴させて頂きました。まだお若い刀匠さんですが、芯のある清々しい御方で、次の世代が着実に育っていることに感嘆致しました。日本の素晴らしい技術・文化を受け継いで更に研鑽を積まれて、益々大きくなって頂きたいと期待する次第です。
日本画家・柳樂晃里181202林原美術館5
林原美術館では、会期期間中毎週、対談があったり、講演会、鑑賞会、銘切実演等、様々な企画を催されています。どの企画も魅力的で、毎週参加したいくらいです。お近くの方、興味のある方は是非、足を運んでみてください。

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日本画家・柳樂晃里181101お茶処1
松江藩の御膝元の地域では、ほんとによくお茶を飲みます。
町屋でも農家でも漁師さんも、お金持ちもそうでなくても、「お茶を点てる」は暮らしの中に在ってあたりまえのことで、10時と3時にお茶を飲み、誰か来たらお茶を出します。
普通の家の我が家ですが、戸棚の中には、いつも綺麗な和菓子がありました。見た目が綺麗なだけではなくて、お菓子には季節に因んだ洒落た名前がついています。「若草」「初雁」「紫式部」「月夜」「姫万菊」etc・・
日本画家・柳樂晃里181101お茶処2
私の祖母は、いつもきちんと着物を着ていて、動作も落ち着いてしとやかな人で、お茶の点て方も入れ方もゆったりとしていました。その祖母に「朝茶には外れるものではない」と教えられ、朝は必ずお茶を頂いてから出かけます。また「一杯茶はいけないから・・・」ということで、お抹茶は2服、御煎茶も最低2杯は頂きます。そういう風に祖母に躾けられ、そういう環境で育ったので、私は何の疑問もなくおりましたが、どうやらこの地方特有らしいということが、最近になって分り始めました。

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日本画家・柳樂晃里181101大名茶人1
今年は、茶人で名高い御殿様不味公没後200年にあたり、全国あちこちで様々な展覧会、催し事が行われています。不味公は、松江藩七代目城主松平治郷公で、号を「不味」と称され、風流を嗜まれた御殿様です。
日本画家・柳樂晃里181101大名茶人2
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当時の松江藩は大変困窮しておりまして、不味公の茶の湯には反論もあったようですが、ところがこの茶の湯の世界を藩の産業へと結びつけ、現代へ引き継がれているという偉大な功績を残された御殿様で、今でもこの地方では藩中興の祖として尊敬と親しみを込めて「不味公さん」と呼んでいます。
不味公はまた、茶道具の名品を兎集し後世に伝えるべく記録・管理し、保護・伝承に尽力した御殿様で、これも現代行われようとしている美術品保護・伝承の先駆者的存在として注目されています。
さて、茶の湯といえば、お茶碗が要ります。花入れも要れば、茶釜も必要です。
また、茶菓子も欲しいです。
日本画家・柳樂晃里181101大名茶人3
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不味公は、兎集した名品を惜しげもなく職人に貸出し、研究させ腕を磨かせたそうです。自らも案を出し、寸法を記した設計図を職人に与え、産業として成り立つように尽力したとも伝え聞きます。そうした努力が後世になって、民芸運動家の柳宗悦、陶芸家のバーナード・リーチとの縁を結ぶことにも繋がったのだと思います。
未だ不味公さんの風流の世界の息づく松江には、美味いお茶に季節感あふれる美しいお菓子、陶芸、木工、八雲塗、出雲蕎麦におもてなしの心遣いなど、すばらしいものが溢れています。

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