日本画家・柳樂晃里ホームページ&ブログ(島根県安来市)

島根県安来市在住の日本画家・柳樂晃里(なぎらこうり)NAGIRA KOURIです。たたら製鉄や日本刀などのテーマを中心に描いています。

(最新更新日:2022年5月10日 掲載日:2018年7月1日)

日本画家・柳樂晃里 (Nagira kouri)


主テーマは「たたら製鉄」ですが、花鳥・生物・風景も私の大切な題材です。
;私にとって絵を描くことは、ご飯を頂くことや働くこと、眠ることと同じ様に、
ごく普通のこととして、私の日常の生活の中にあるもので、
出会った物事への感動や発見や感謝を綴った、いわば日記の様なものです。
私は、ありのまま自然体で、日本画の枠にとらわれずに
しかしながら日本画の持つ繊細さや奥行き、空気の流れを大切に
様々な表現を楽しみたいと制作を続けています。

柳樂香里・月ー奥出雲たたら場の遠景
作品「月ー奥出雲たたら場の遠景」


最新活動情報
2019年9月 安来日本画友の会・会長に就任
2019年9月 第13回安来市美術展に出品、実行委員を務めるとともに市民賞受賞(観覧者の投票による)
2020年3月 安来市和鋼博物館にて作品11点を展示開始(期間や作品入れ替えの有無等は未定)

新型コロナウイルス収束を祈って作品「アマビエ」を7点制作・掲載しました。

日本画家・柳樂晃里

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女流日本画家・柳樂晃里の活動日記 に参加中!
柳樂晃里・第1回現代刀目利き認定大会1
※画像はクリックするとPCは拡大画像がご覧になれます。
10月4日に制定された「刀剣の日」に因んで、刀匠会主催の「第1回現代刀目利き認定大会」が、10月5日(土)に岡山で開催されました。

初めての事なので、どんなんするんだろうと、やや戸惑いながらも、いつも出会う馴染みの方々と楽しく歓談し、また新たなご縁も繋がったりで、始まるまでは皆さんと和んでおりました。
何故か、この会はいつもあっという間にみんな身内になってしまうという不思議な会です。
主催される刀匠さん方やスタッフの皆さんのお人柄が、その空気を作るのでしょう。
有難いことです。
柳樂晃里・第1回現代刀目利き認定大会2
さて、目利き大会ということですがルールを聞いてみれば、30口もの現代刀の作者を記入式で当てるという、むちゃくちゃ過酷で難しい大会で、勿論ヒントは無し。
始まるや否やあちこちから「難しい!」「分らん!」と悩みに悩む声が上がります。

でも、一度にこれだけの御刀を手に取って拝見出来る機会など滅多にありません。
ここは開き直り、先ずは楽しませて頂こうと、じっくり、うっとりと御刀を拝見させて頂きました。
どの御刀も美しすぎて夢見心地でした。

案の定、私は成績など語れるはずもないのですが、なんと中学生の男の子が好成績を取るという素晴らしいことが起こりました。若い方が日本の伝統文化、技術に興味を持って、こんなにも熱心に勉強してくれることほど喜ばしいことはありません。

来年は、刀匠会成立45周年とのこと。
また参加させて頂けるように、楽しみながら、しっかりと勉強しようと思いました。

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日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展B1
展示室ではスタッフが誰もいなくて、愛想がないなあ・・・と、ふと思いつき、突然ギャラリートークを試みました。

「日本画の絵の具のこと」「制作工程のこと」「日本画の魅力」「油彩との違い」など、展示場でお客様にお話しさせて頂きましたところ、興味を持って聞いて頂き、質問もして頂きました。

一般的には馴染みの薄い技法の日本画ですので、説明させて頂くと、
「水彩かと思っていました」
「そんなに手間が掛かるのですか?」
「どうやって描かれるのか?と思っていました」
などおっしゃる方がほとんどで、「聞いて良かった」と喜んで頂きました。

自分の個展ではいつもお話しさせて頂いていることなのですが、日本画のことをご理解頂き、近しく親しんで、更に楽しんで頂くためには、会場でのお客様とのトークは必要と私は思っています。

先ずは、突然ギャラリートーク大成功でした。

美術展の概要はこちらをご覧ください。(9月19日<木曜>まで開催中です)
http://nagirakouri.blog.jp/archives/19770310.html

※上の画像はクリックするとPCは拡大画像がご覧になれます。

※当記事に掲載されている美術展の写真は主催者の承諾を得て掲載しております。ただ制作者様等で作品写真掲載においてご支障やお気づきの点等がございましたら、当サイトのお問い合せフォームにご連絡ください。出来るかぎり早めに対応させていただきます。                         【サイト管理者】
(連絡フォームはPCは上のメニューバー、スマホはホームのページ上部にあります。フォームはPC用ですのでスマホの方は広げてご使用ください)

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日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A1
9月14日より安来市総合文化ホール・アルテピアで始まりました。
開会式の後に受付係。

なんと安来市長さんが私の描いた「たたら炭」の絵について熱心に質問をして下さいましたので、「日本画のこと」、「たたら」のことをちょっとだけ説明させて頂きました。
とても良く見て頂いたことに驚き、感激しました。
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A2
また、この日はアルテピア大ホールで午後6時から倉木麻衣さんのコンサートがあるため、朝の10時頃から続々と人が入って来るではありませんか!これは大チャンス!ドンドン声を掛けて沢山の方に美術展も見て頂こうと、本日受付スタッフの私のハートはスイッチオン!

そしたら、「もう見てきましたよ。」「絵を見せて頂きました。良い時に来ました。」「見せて貰ってよいですか?」など、逆に声を掛けて頂いてビックリしました。
とても嬉しかったです。
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A3
さて、今回から来場者参加型美術展ということで、お客様の投票で決まる市民賞を制定させて頂きましたので、ならば結果を出さなければなりません。目録をお客様に手渡しながら、一生懸命「市民賞」の説明をさせて頂きました。
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A4
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A5
するとお陰様で「それ面白いね!」「楽しそう」など興味を持って頂き、帰り際に記入した投票用紙を投票箱に入れて下さる姿にキュンとなりました。
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A6
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A7
閉館時間前には投票箱からはみ出すくらいに沢山投票して頂きました。
お時間を割いて見て頂いた皆様、市民賞にご投票頂いた皆様、誠にありがとうございました。
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A8
日本画家・柳樂晃里・第13回安来市美術展A9
日本画は今回からの参加ですが、参加させて頂いたことで沢山のご縁と学びを頂きました。今回の経験を踏まえて、更にお客様に親しんで楽しんで頂ける美術展になるように努めたいと思います。

美術展の概要はこちらをご覧ください。(9月19日<木曜>まで開催中です)
http://nagirakouri.blog.jp/archives/19770310.html

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「安来市美術展」地方の街の公募展です。
実はこの度、美術展の実行委員を仰せつかりました。
ならば!ということで、鑑賞にご来場頂いたお客様に、更に芸術に親しんで身近に感じて頂きたいという思いから、来場者の方々の投票によって決まる「市民賞」を提案させて頂きました。
特定の審査員のお仕着せの目線とは違う、お客様それぞれの目線で、感性で、自分の思いのまま楽しみながら、自分のお気に入りを見つけて投票頂きます。
自分の目線で選ぶって楽しいし、選ぶということはしっかり見るということにも繋がります。そうして地元の芸術への理解を一層深めて頂けたらいいなと思っています。
更に、ご投票頂いたお客様の中から抽選で3名様に安来市の特産品をプレゼント致します。安来市のPR、地域振興の一助となればと思います。

作品展示は、総合文化ホール「アルテピア」9月14日(土)から19日(木)までです。沢山のお客様にご来場頂き、楽しんで頂けたら嬉しいです。

実は、私としては特定の審査員を無くして、全面的に来場者の方々の投票で賞を決めたかったのですが、それは直には難しく、市民賞ということに留まりました。でも地方の美術展の在り方に一石は投じられたと思います。
せっかく実行委員をさせて頂くのですから、どうせなら他にはない面白い美術展に成るように、更にいろいろな提案をしていこうと思っています。

第13回安来市美術展
開催において日本画部門の実行委員をつとめるかたわら出品予定です。
会期:2019年9月14日(土)~9月19日(木)
場所:安来市総合文化センター「アルテピア」
〒692-0014 安来市飯島町70
Google Map

TEL.0854-21-0101
観覧時間:9時~17時(最終日は16時30分まで)
交通アクセスページ


ご参考
第13回安来市美術展案内(安来市役所ホームページ内)

作品募集要項(安来市役所ホームページ内)

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日本画家・柳樂晃里190905奄美風蘭1
可憐なモデルさんと出会いました。
芳しき「奄美風蘭」線が実に美しい。
この星は偉大です。この風蘭は神業!
日本画家・柳樂晃里190905奄美風蘭2
写生をすると、地球の力の神秘を更に感じます。
日本画家・柳樂晃里190905奄美風蘭3

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日本画家・柳樂晃里190831頼山陽史跡資料館1
今日は、広島の頼山陽史跡資料館へ現代刀の展覧会「挑戦者たち~現代刀の世界」を拝見に出かけました。
広島在住の同級生を誘いましたら、着物で来てくれました。
日本画家・柳樂晃里190831頼山陽史跡資料館2
以前は殿方ばかりで、私が行くと何やら不思議そうな顔をされたのですが、最近の刀剣ブームにより、若いお嬢さんの姿が沢山ありました。若い方が日本の伝統技術・文化に関心を寄せて下さるのは喜ばしいことです。
日本画家・柳樂晃里190831頼山陽史跡資料館3
久保刀匠をはじめ、賀島刀匠。蛭子刀匠と広島在住の刀匠御三方による作品解説を伺いながら、ゆっくりと美しい日本刀を鑑賞させて頂きました。
日本画家・柳樂晃里190831頼山陽史跡資料館4
一緒に行った友人が「美しい!いろいろなことが黄金比率で出来ている!」と目をキラキラさせて見入っている彼女を見て、誘った私もとても誇らしい気持ちになりました。
日本画家・柳樂晃里190831頼山陽史跡資料館5
9月8日(日)までの開催です。お薦めします。必見の展覧会です。
是非とも、足を運んでご覧になって下さい。

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日本画家・柳樂晃里1908201水で線を引く
表装の基本の基「裏打ち」
自分で言うのもなんですが、なかなか上手になりました。
短いものは、裏打ち紙をその大きさに切断して使えばよいのですが、長いものに成りますと裏打ち紙を継がないと一人で出来なくなります。
日本画家・柳樂晃里1908202水で線を引く
その際に必要となるのが「くいさき」しての裏打ち技術です。
紙の継ぎ目を目だたせないように裏打ちをする技術です。
鋏を使わず、手で真直ぐに紙を裂くのですが、師匠はいとも簡単にきれいに「くいさき」をして見せて下さいましたが、私は同じことをしているはずなのですがボロボロ・・・何がいけないのか???
日本画家・柳樂晃里1908203水で線を引く
原因は水分量でした。
裂くところに定規を当てて水を含ませた刷毛で、すうっーっと線を引きます。
この時に、
①定規をしっかり押さえて水の染み込みを防ぐこと。
②刷毛で線を引く際に滲まない程度の水分量にすること。
が大事なポイント。
日本画家・柳樂晃里1908204水で線を引く
師匠はじめ、兄弟子たちが寄ってたかって一生懸命指導して下さるのが、とてもありがたいです。
答えを先に教えずに自分で考えだせるように導いて下さいます。
かなり笑われているのも確かですが(笑)

失敗をして、その原因を自分で発見出来て理屈が解るからこそ自分の身に付き成長します。
何度も練習して、みなさんに「上手い!」と褒めて頂けるようになりました。

「水で線を引く」絵描きでありながら、今更ながらにその深さを思いました。

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日本画家・柳樂晃里1908171道の友
表装の師匠は、「自分で作れる道具は自分で作る」というお考えの方で、私もそれは望むところですので、自分のヘラを3種作りました。
材料の竹は師匠が用意して下さって、師匠のヘラで型を取り、教室の隅で黙々と小刀で竹を削りました。
日本画家・柳樂晃里1908172道の友
小学校の頃は鉛筆を包丁やカミソリで削ったものです。あれから何十年。今ではそんな小学生はいないでしょう。物造り大好き半分、懐かしいの半分でなかなか楽しい竹ベラ制作でした。

お金を出して買えば、もちろん見た目も立派な上等な道具がありますが、見た目不細工でも自分で作った愛着と世界にひとつの感動は、お金では買えません。
これからこの竹ベラ三人衆は、私の表装道の「道の友」です。
「道具は育てるものだ。」と師匠はおっしゃいます。でも私は道具に育てられるのかもしれません。

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日本画家・柳樂晃里1908141ニッキあめb
お昼の休憩時間に友達がくれた可愛いヤツ!懐かしいニッキあめ。
子供の頃には辛くて食べられなかったくせに、歳を取ったら懐かしい味に思えるっていうのは、何かの魔法でしょうか?その名も「思い出あめ」

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我が家のコンセントは家が建った時のまんまで、今まで約50年構ってなくて、けれど、さすがに限界!
安全第一ということで、コンセントを全部取り替えて貰うことにしました。

で、暑い中の作業なのでエアコンをかけて涼しくしてあげようと思ったら、なんと「ブレーカー落としますね」と電工屋さんの一声!エェーッ!!!「ハッ」とする私に「電気工事なんで!」そりゃそうなので・・・笑えない(笑)

むちゃくちゃ温度湿度の高い中・・・一時間半!使えるのは団扇だけ!
修了した時には、全員川から上がったように水が滴っておりました。
夏場の電気工事は、よっぽどのことが無い限りはするものではありません!

汗だくで一生懸命工事をして下さった電工屋さん、ありがとうございました。
お陰様で安心して電気を使えます。

私たち現代人は、日頃からあって当たり前のようにスイッチひとつで電気を使っていますが、たかが1時間半、電気が使えなくなっただけで、何も出来なくなってしまう現実と、そうなった時の自分の無力さを、とても怖いと思いました。
では、どうする?それが問題だ!

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日本画家・柳樂晃里1908101下地塗り
お盆休みに入ったので、初日の今日は早速絵描き用のパネルの下地塗り。
この暑さ、下地塗りにはとても有難い。なんといっても乾きが早い!
でも、ひとつ注意をしなければならないのは「汗これはいつでも天敵です。
汗は、後でシミとなって出てくることがあるので絶対禁物。頭にタオル、首にもタオル、手早く塗り上げます。
先ずは、ドーサ液で滲み止め、乾いたら白い胡粉を塗って紙面の表面が荒れないように、加えて発色の助けにもなります。黄土を塗られる方もあるそうですが、そこは必ずこうせねばならぬという事はありませんから。
この後、乾いたら方解末を何回か塗り重ねます。
日本画家・柳樂晃里1908102下地塗り
ずうーっと白いままなので面白くない作業ですが、ここが肝心!この下地塗りがきちんと出来ていないと絵描きが出来ません。
日本画家・柳樂晃里1908103b下地塗り
終わったら道具はきれいに洗います。この後始末は、次の仕事の始まりでもあるのです。「始末」って「始まりをまつ」とも読めますよね。

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日本画家・柳樂晃里1908081残暑見舞
立秋も過ぎ、我が家の庭には秋草が茂り、夜には虫の声も聞こえてきます。
しかしながら・・・この酷暑猛暑極暑はいつまで続くのでしょうか?
日本画家・柳樂晃里1908082残暑見舞
私の平熱は35度2分。一般的にはちょっと低めですので毎日体温越えの熱のある状態の外気には、さすがに身体がついていけず忙しすぎたことも合わさってバテバテで、とうとう二日間程クタクタとエアコンの効いた部屋で寝ておりました。
日本画家・柳樂晃里1908083残暑見舞
今日は、庭に蝉が落ちてきました。ボトッと結構大きな音がするものです。
雨ではなく蝉が降ってくるのです。

暑さはまだまだ続きそうです。
皆様くれぐれもお身体ご自愛下さい。
日本画家・柳樂晃里1908084残暑見舞

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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙1
今日は、絵描き用の和紙を分けて頂こうと、広瀬和紙の工房へお伺いしました。
山陰は、出雲和紙、石州和紙、因州和紙など、手漉き和紙が伝統の特産品で現在でも沢山の工房が有り、それぞれに特色のある美しい和紙を手漉きしています。

広瀬和紙もそのひとつで、100%天然の素材(三椏・楮・雁皮)の繊維を溶かし、三椏、楮、雁皮の質の美を生かし、一枚一枚手漉きの純粋な和紙制作をされています。

ここの和紙は風合いが素朴でしっかりしていて、筆運びがとても良く、良い加減に絵の具を吸い込んでくれるので、とても描きやすいです。絵の具のにじみの加減も、材料のミツマタやコウゾの配分でいくらでも調整が出来るそうですし、紙の厚さも薄さも思いのままに制作して頂けます。

手作業の為、大量生産は出来ませんが、相談をすると精一杯工夫して下さいます。手仕事だからこそ出来る職人さんの温かい技です。

また、この地方は「たたら製鉄」も盛んであった為、山の水は鉄気を多く含んでいて、漉き上がったばかりの和紙は薄い褐色をしているのが特徴です。
そこのところも、「たたら」をメインテーマとしている私にとっては魅力的に思えるところです。
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙2
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙3
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙4
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙5
広瀬和紙の工房は、安来市広瀬町下山佐の深い山の中にあります。
最初の看板から山道をどこどこと車で走ること走ること・・・一本道のはずなのに、もしかして道に迷ったのでは?と思うほど走ると、やっと小さな集落に辿り着きました。
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙6
山水が川と成って流れるその辺に工房はあります。
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙7
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙8
いま、ちょうど材料が煮上がったところで、ほぐしながらゴミなどを取り除く作業をしていらっしゃいました。傍らでは若いお弟子さんが和紙を漉いていらっしゃいました。根気と体力の要る大変な仕事です。
長く使い込まれた工房は、手漉き和紙独特の匂いが沁み込んでいます。
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙9
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙・和紙の色は鉄気の色
先ずは一杯お茶を頂きながら、この工房の主の長島さんの和紙制作への味わい深いお話を聞かせて頂きました。もうじき米寿を迎えられるそうですが、決して変えてはならないところと、改革していくべきところの見極めが肝心なところなのだと、まるで少年のような瞳でにこにこと話して下さいました。
顔に刻まれたしわや、指の節々に経験の深さが刻まれています。
気取りが無く愉快な長島さんですが、制作姿勢はめっちゃ男前の職人さんです。
画家・柳樂晃里190622広瀬和紙・和紙自然乾燥中
一枚一枚丹精された和紙ですから、大切に使わせて頂きます。

帰り道で、マタタビの樹が沢山あることに気が付きました。さすが山奥です。
日本画家・柳樂晃里190622広瀬和紙・マタタビ1
日本画家・柳樂晃里190622広瀬和紙・マタタビ2

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女流日本画家・柳樂晃里の活動日記 に参加中!
日本画家・柳樂晃里190616榊の花1
庭の榊に花が咲きました。
今年は、つぼみがびっしり。
日本画家・柳樂晃里190616榊の花2
この榊は、奈良の大神神社へ詣でた折に、偶然運良く三輪山の榊の苗木を頂き、我が家の庭に植えたものです。当時はですが、三輪山の手入れをされる時に、樹木の子をみつけると間引きも兼ねて採取して、参拝される方に苗木として分けられるのだそうです。
日本画家・柳樂晃里190616榊の花3
あれから10年は経ちますね。
小さな細い苗が、私の背丈を越えました。

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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田1
6月12日(水)今日は、妹夫婦と三人で奥出雲の鳥上工場へ、先般の展覧会へ遠路お越し頂いた御礼にお伺いしました。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田2
世界で唯一現在でも「たたら操業」が行われている工場です。
この時期は次のたたら操業に向けての準備や、先般の操業で出来た鉧やノロや窯土などの分析、たたら研究をされる先生方との研究会や講演会など、とてもお忙しいところ時間を割いて頂き、村下さんはじめ方々と近しく楽しくお話をさせて頂き、心豊かな時間を過ごさせて頂きました。

また毎年夏休みには、地元の小学校で6年生を中心に村下さん直々の指導の下、「たたら体験学習」が毎年行われています。
村下さんは「ここにしかない伝統技術と培われてきた物造りの精神性、和の力を体験し学ぶことで、山間の田舎町ですので、この地に残る子は少ないですが、どこの土地で生きても、故郷での貴重な体験学習がそれぞれの人生を切り開く力となるように、祈りを込めて一生懸命に学びの手伝いをさせて貰っている」とおっしゃっていました。
村下さんは、いつお会いしても背筋がしゃんと伸びていて、気遣いの深い方で、いつも学ばせて頂いています。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田5
お昼は、稲田神社の境内に在るそば処「ゆかり庵」で、美味しいお蕎麦を頂きました。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田3日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田4
風情豊かなお店の縁側の軒下には、姫路の由緒ある甲冑師「明珍家」の御当主が甲冑造りの技術を活かし考案され生み出された風鈴が涼やかに揺れておりました。さすが!鍛えられた鋼の風鈴は、いつどこで聞いても妙なる音色です。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田6
勿論、稲田神社へお詣りしました。ここは稲田姫誕生の地との事。深い木立の中、清々しい空気に包まれたきもちの良いところでした。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田7日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田8日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田9
さて、せっかく奥出雲まで来たので、砂鉄採取のための鉄穴流しで造られた棚田を散策に行きました。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田10
この棚田は砂鉄を採取するために切り崩された山の跡地をほったらかしにせずに、時間をかけて水田に開拓して、手を掛けて稲を育てました。この棚田は、土地を活かし、自然を循環させ、人と自然とが共存共栄していく理想の実証ではないでしょうか?
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田11
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田12
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田13
更に、先人たちは、やみくもに山の全てを切り崩したわけではありません。奉られている神社や祠、また先祖の墓所、など敬うべき大切なところは手を付けずに残しました。それがところどころ残丘として、今でも水田の中に昔の風情を溶け込ませています。
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田14
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田15
日本画家・柳樂晃里190612奥出雲の棚田16
与えて頂いたからには、その恩恵に感謝し、より良い形で報いるのは当たり前のことですよね。
先人たちの賢さ、知恵の深さ、やさしさを少しでも学びたいものよと思います。

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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
画家・柳樂晃里190604安来の田園風景1
安来には、どこまでも続く長閑な田園地帯があります。
田植えが終わった後の涼やかで穏やかな景色と初夏の空、耕耘機やトラクターの走る田んぼ道。これって地味ですが一番大事な絶景だと私はおもうんだけどなあ。
画家・柳樂晃里190604安来の田園風景2画家・柳樂晃里190604安来の田園風景3
画家・柳樂晃里190604安来の田園風景4
画家・柳樂晃里190604安来の田園風景5
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女流日本画家・柳樂晃里の活動日記 に参加中!
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館1
今日は、島根県安来市広瀬町布部にある加納美術館へお伺い致しました。
第二次世界大戦後の日本とフィリピンとの友好に尽力した洋画家加納莞蕾の山間の風情豊かな美術館です。
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館2
音楽家をしている同級生の紹介で、こちらのディレクターさんとご縁が繋がり、今日はその新たなお友達にお会いする為と、午後から開催される対話型鑑賞会に参加させて頂く為、そして展示作品の鑑賞も勿論のことです。

そうしたら、お友達つながりで、更に新しいお友達が出来ました。なんて素敵な日でしょうか!ご縁に感謝して更に学ばせて頂きたく思います。
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館3
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館4
加納美術館は、写真撮影もブログ、SNSへの掲載も{どうぞ!}との事。
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館5
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館6
館長さんがとても楽しい方で、お話をしていたら「照明を5分だけ特別な照明に変えてご覧に入れましょう」と普段では見れない照明で見せて頂きました。
すると、作品の気迫が一気に解放されて、莞雷さんが一心不乱に絵を描いている姿が浮かぶようで、作品の魅力が更に強く伝わりました。良いものを見せて頂きました。
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館7
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館8
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館9
また、対話型鑑賞会に参加させて頂き、とても勉強になりました。
鑑賞する側が、それぞれに自分なりの見方で、こう見える、実はこうではないか?とか、これは何を意味するものなのか?とか、作品を見て受けた印象や自分の思い、疑問などを自由に話し、また別の人の考えを聞いたりと、決めつけのない自由な対話をすることで、お互いが自分にない見方や思いを学べる、実に画期的な鑑賞会でした。なるほど!!と感心しきりでした。

これは、癖になりそうです。
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館10
鑑賞の後、加納美術館の別館でお抹茶をご馳走になりました。
ふっくらと美味しいお点前でした。

※参考
加納美術館オフィシャルホームページ
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館14

日本画家・柳樂晃里190602加納美術館12
日本画家・柳樂晃里190602加納美術館13

文中にもありますように、館内写真および作品写真などは加納美術館様の方針で写真撮影・サイト掲載などを観覧者が自由に行えるとのことで、先方のご承諾をいただいて掲載しております。

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女流日本画家・柳樂晃里の活動日記 に参加中!
日本画家・柳樂晃里1906011
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父の一周忌が過ぎ、やっと忌中明けをしました。

忌中の間の一年間に煮炊きしたものをきれいに片づけてから行うのが習わしですが、もうじき喪が明けようという時に、玄米ご飯を沢山炊いて冷凍庫に入れてしまったので、それを食べ終わるまでは忌中明けは延期になってしまったのです。文明の利器に阻まれました(笑)

忌中の間は喪の穢れを受けているので、その間の火を使ったものは喪の穢れがあるという神話の昔からの習わしですが、それは日本神話ばかりではなく、ギリシャ・ローマ神話の中にも似たお話があるのは興味深いです。

黄泉(冥府)の国へ逝ってしまった妻を連れ帰ろうと夫が黄泉(冥府)の国へ行くと、妻は「この国の食べ物を食べてしまったので、黄泉(冥府)の神に許しを貰わなければなりませんから、それまでこの国の入り口で待っていて下さい。」と夫に告げるのです。
そこのところが「火を違える」という習わしの発端のようです。
日本画家・柳樂晃里1906012
今朝はやっと火を使て煮炊きしたものがなくなりましたので、きれいなコップに水を汲み、塩と酒を入れて、浄めの為の水と竹の葉を用意します。竹の葉に浄めの水をつけて家の四隅、玄関、各部屋、水回り等、家の敷地中隈なく浄めて回ります。それから神棚に榊をお供えし、いつものように米、塩、水をお供えし、忌中明けの報告を神様にお伝えして、忌中明けの儀式完了です。

その後の「火」は新たなこの世の火になりました。
祖母の教えによると、忌中明けに使う水は、明け方の海の潮を汲んでくるのが正式なのだそうです。

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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
ホーランエンヤは島根県松江市に伝わる日本三大船神事のひとつで、松江城の城山稲荷神社式年幸祭の五穀豊穣を祈願する10年に一度の祭事です。
「豊来栄弥」あるいは「宝来遠弥」の字が当てられます。

本年令和元年は、正にその神事の年に当たり、地元では随分前から楽しみに盛り上がっています。
中には神事の船団が行く大橋川沿いの旅館やホテルを一年前から予約して、楽しみにしていらっしゃる方も大勢いらっしゃるそうです。

私は、テレビで中継を見ていました。
やはり、テレビの前で自然と畏まっていました。

ホーランエンヤは、370年の歴史があります。
起源は、1648年天候不順で凶作が予想された為、松平家初代藩主が五穀豊穣を願い、城山稲荷神社の社司を業務していた阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)の神主・松岡兵庫頭(まつおかひょうごのかみ)に命じ、城内に祭られた城山稲荷神社の御神霊を、阿太加夜神社へ船で渡御させ奉り祈願し、見事祈願成就したことに始まります。それ以神幸祭(ホーランエンヤ)が行われることになったそうです。

ホーランエンヤは松江市城山稲荷神社から御神輿を船団で松江市東出雲町の阿太加夜神社へお運びする「渡御際」と、阿太加夜神社本殿にお迎えし舞を奉納大祈祷の「中日際」、再び船団で城山稲荷神社へ御神輿をお送りする「還御際」から成り、およそ10日間をかけて、五大地と呼ばれる大海崎、馬潟、福富、矢田、大井の地域の人々が一同に集まり、色とりどりの装飾をされた櫂伝馬船を漕ぎ出すこと、その総数100隻に及び、大橋川から意宇川にかけて勇壮華麗で壮大な水上絵巻が繰り広げられます。
中でも、歌舞伎を模した豪奢な衣装で揺れる船上の最先端で舞う「剣櫂」と最後尾で舞う「采振り」は、このお祭りの花形!息をのむ美しさです。更に一糸乱れぬ各船団の櫂の動きの美しさも必見!見どころです。
漕ぎ手と踊り手の強い信頼関係があってこそ成り立つものと感動します。

テレビ中継では、本番の華やかさばかりではなく、五大地の皆さんの一年前からの準備の様子や、日ごと夜ごとの厳しい練習の様子、伝統を守り繋げていこうとする熱い思いを紹介されていて、本番を迎えるまでの素晴らしい努力と裏方さんの偉大な力を知ることが出来、更に感動的でした。
ホーランエンヤは全て口伝で受け継がれ、370年の昔から今日まで続いています。口伝でなければ伝わらないものというところが、実は一番大切なところなのではないでしょうか?

参考
ホーランエンヤ公式ホームページ

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日本画家・柳樂晃里190522ツワブキ1
朝、洗濯物を干しに表へ出たらツワブキの葉っぱの上に、
なかなか良い面構えのアマガエル君!
コイツ、絵になる!!
日本画家・柳樂晃里190522ツワブキ2
さて、このツワブキ。若芽が伸びる今が旬の食べ頃ですが、地域によっては食べる習慣のないところもあるらしいのです。
私は・・というと、小さい頃から祖母が甘辛い煮物にして「お腹の薬になるんだよ」と普通に食べさせてくれました。
灰汁が強いので灰汁抜きに手間が掛かりますが、ほろ苦さが癖になります。

会社の友達に話したら、食べられることを知らない人ばかりでビックリでした。
私は食べ物と認識していたのですが、殆どの人は観賞用の植物としての認識でした。

けれど先日、奄美大島出身のお友達ご夫妻から、奄美でもツワブキを食べる習慣があると聞いて、なんだか嬉しく、ほっと安心しました。

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