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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
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6月12日(水)今日は、妹夫婦と三人で奥出雲の鳥上工場へ、先般の展覧会へ遠路お越し頂いた御礼にお伺いしました。
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世界で唯一現在でも「たたら操業」が行われている工場です。
この時期は次のたたら操業に向けての準備や、先般の操業で出来た鉧やノロや窯土などの分析、たたら研究をされる先生方との研究会や講演会など、とてもお忙しいところ時間を割いて頂き、村下さんはじめ方々と近しく楽しくお話をさせて頂き、心豊かな時間を過ごさせて頂きました。

また毎年夏休みには、地元の小学校で6年生を中心に村下さん直々の指導の下、「たたら体験学習」が毎年行われています。
村下さんは「ここにしかない伝統技術と培われてきた物造りの精神性、和の力を体験し学ぶことで、山間の田舎町ですので、この地に残る子は少ないですが、どこの土地で生きても、故郷での貴重な体験学習がそれぞれの人生を切り開く力となるように、祈りを込めて一生懸命に学びの手伝いをさせて貰っている」とおっしゃっていました。
村下さんは、いつお会いしても背筋がしゃんと伸びていて、気遣いの深い方で、いつも学ばせて頂いています。
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お昼は、稲田神社の境内に在るそば処「ゆかり庵」で、美味しいお蕎麦を頂きました。
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風情豊かなお店の縁側の軒下には、姫路の由緒ある甲冑師「明珍家」の御当主が甲冑造りの技術を活かし考案され生み出された風鈴が涼やかに揺れておりました。さすが!鍛えられた鋼の風鈴は、いつどこで聞いても妙なる音色です。
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勿論、稲田神社へお詣りしました。ここは稲田姫誕生の地との事。深い木立の中、清々しい空気に包まれたきもちの良いところでした。
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さて、せっかく奥出雲まで来たので、砂鉄採取のための鉄穴流しで造られた棚田を散策に行きました。
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この棚田は砂鉄を採取するために切り崩された山の跡地をほったらかしにせずに、時間をかけて水田に開拓して、手を掛けて稲を育てました。この棚田は、土地を活かし、自然を循環させ、人と自然とが共存共栄していく理想の実証ではないでしょうか?
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更に、先人たちは、やみくもに山の全てを切り崩したわけではありません。奉られている神社や祠、また先祖の墓所、など敬うべき大切なところは手を付けずに残しました。それがところどころ残丘として、今でも水田の中に昔の風情を溶け込ませています。
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与えて頂いたからには、その恩恵に感謝し、より良い形で報いるのは当たり前のことですよね。
先人たちの賢さ、知恵の深さ、やさしさを少しでも学びたいものよと思います。

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