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日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
日本画家・柳樂晃里181216出雲織1b
日本画家・柳樂晃里181216出雲織2

16日(日)安来市の文化福祉チャリティ「文化協会まつり」で美しいお着物をお召しの素敵なご婦人にお会いしました。そのお着物は、「青戸由美恵さんが織られた本絣の正藍染出雲織」
綿から糸を紡ぎ、美しい文様が織り上がるように細かく何千カ所も糸をくくり、藍で糸を染め、ひとはたひとはた手を掛け、心を掛けて織り上げられた安来伝統の逸品です。
日本画家・柳樂晃里181216出雲織3
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島根県民芸協会創立者の太田直行氏が出雲織に寄せられた一文を紹介します。

「出雲織と青戸由美恵
明治、大正頃まで、山陰の出雲は九州の筑後と共に、正藍手織絣の代表的産地であり、当時の出雲では、機織りが嫁入り前の必須科目だったので、殆どの家で機の音が聞かれた。しかしその後、機械織と化学染料の発達にともなって、手織絣は絶滅するかと思われたが、近年伝統美の再認識と復古ブームとによって、再び興隆の機運を迎えるに至ったことは誠に欣ばしい。青戸由美恵さんは、手機織の環境に生まれて、幼児から機織が大好きだから今でも家事と子女の育英に追われながらも機を織り続けており、本絣(縦横絣)の織手としてはその右に出る者が無い。のみならず独特の色彩感覚で染め上げる草木染めは、正藍染めととけ合って誠に美しい。
しかもなお日夜研究と改善を続けて芸域の拡大に努力している。私は彼女こそ、山陰地方における興隆を双肩に荷う第一人者だとして限りない期待を寄せるものである。」
日本画家・柳樂晃里181216出雲織4
手間を掛けたものは、使うほどに美しく愛おしい宝となり、人の心を豊かにしてくれるのではないでしょうか?
現在、出雲絣は青戸由美恵さんの息子さんご夫妻が、由美恵さんの思いや技術を受け継がれ、そしてお孫さんもまた同じ道の継承を選択されて、日々研鑽を重ねていらっしゃいます。白鳥の飛来地でもある能義平野の工房では、その技術を習得せんと、若い方々が全国各地からお見えになって、一生懸命に励んでいらっしゃいます。

実は、この出雲織の青戸君ですが同級生なのであります。体格のいい濃いめの風貌の男子ですが、彼の生み出す作品は実に繊細で美しく温かみがあります。お母様の思いを継いで、素晴らしい作品を生み出すとともに、次世代への継承に尽力されています。

やさしい柔らかい手織りの美しい愛おしい作品が、機織りの音とともに生まれています。

下の写真は出雲織の工房の写真です。
なかなか田舎の風情があります。
日本画家・柳樂晃里181216出雲織工房6
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