ブログネタ
日本画家・柳樂晃里のたたら製鉄や霊峰大山など山陰文化探訪 に参加中!
日本画家・柳樂晃里181101大名茶人1
今年は、茶人で名高い御殿様不味公没後200年にあたり、全国あちこちで様々な展覧会、催し事が行われています。不味公は、松江藩七代目城主松平治郷公で、号を「不味」と称され、風流を嗜まれた御殿様です。
日本画家・柳樂晃里181101大名茶人2
※画像はクリックすると拡大画像がご覧になれます。
当時の松江藩は大変困窮しておりまして、不味公の茶の湯には反論もあったようですが、ところがこの茶の湯の世界を藩の産業へと結びつけ、現代へ引き継がれているという偉大な功績を残された御殿様で、今でもこの地方では藩中興の祖として尊敬と親しみを込めて「不味公さん」と呼んでいます。
不味公はまた、茶道具の名品を兎集し後世に伝えるべく記録・管理し、保護・伝承に尽力した御殿様で、これも現代行われようとしている美術品保護・伝承の先駆者的存在として注目されています。
さて、茶の湯といえば、お茶碗が要ります。花入れも要れば、茶釜も必要です。
また、茶菓子も欲しいです。
日本画家・柳樂晃里181101大名茶人3
※画像はクリックすると拡大画像がご覧になれます。
不味公は、兎集した名品を惜しげもなく職人に貸出し、研究させ腕を磨かせたそうです。自らも案を出し、寸法を記した設計図を職人に与え、産業として成り立つように尽力したとも伝え聞きます。そうした努力が後世になって、民芸運動家の柳宗悦、陶芸家のバーナード・リーチとの縁を結ぶことにも繋がったのだと思います。
未だ不味公さんの風流の世界の息づく松江には、美味いお茶に季節感あふれる美しいお菓子、陶芸、木工、八雲塗、出雲蕎麦におもてなしの心遣いなど、すばらしいものが溢れています。