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女流日本画家・柳樂晃里の活動日記 に参加中!
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見事な「染めの型」を表装の師匠に見せて頂きました。

師匠のお父上がお持ちだったそうで、先日師匠が発見されて、一枚一枚丁寧にきれいに糊を落し、ファイリングして教室にお持ちになって見せて下さいました。
その数が驚きの約百数十枚。
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なぜ大量の型が表装の師匠のお父上がお持ちだったのかは分らないとのことでしたが、どれもこれもその細工のなんとも美しく見事な事。職人の心意気!気持ちのこもったものであることを感じました。
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一㎜にも満たない薄い板に、おそらく小刀で文様を切り出したのであろうその型は、あまりにも緻密過ぎて、人の手でここまで正確に繊細に美しく、どうすれば出来るのか?
ファイルをめくる度にため息と感嘆の声しか出ませんでした。
これだけのものを描くのも大変なのに、切り出してあるのですから!どれほどの時間と、根気と、経験、修練が要るのか、便利な現代に慣れっこの私にとっては、想像を遥かに超える仕事です。

でも、こうした手間の掛かる手仕事が、機械生産では出せない味わいや風合い美しさを生み出すのだなと思いました。果たして、これほどの手仕事を出来る人が現代にどれだけいるでしょうか?

柿渋が塗らていたからこそこうして形を留めていたもので、そうでなければ、触れればボロボロに崩れ落ちたでしょう。先人の知恵と技術の凄さに只々敬意を覚えました。

とても美しい素晴らしいものを見せて頂きました。
少しでも、先人の心意気を受け継ぎたいものです。

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